K-2 東松島市宮戸月浜地区

2011
K-2 東松島市宮戸月浜地区
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[調査日]2011 年 12 月 10 日(土)

[報告者]
俵木悟 
[調査者]
俵木悟 
[補助調査者]
大沼知 
[話者]
(1)K078海苔養殖業/民宿経営(1972年生れ - 男) 
来年のえんずのわり行事の実施について

 月浜に伝承される小正月の鳥追い行事である「えんずのわり」は、平成18年に国の重要無形民俗文化財に指定された。近年は、月浜在住の小学生・中学生男子が参加して行ってきたが、今年中学3年生だった1名が抜け、次回の参加者は総勢3名となる。そのうち大将(参加者中最年長の者)となる小学5年生を含む2名が話者の息子である。
 震災で深刻な被害を受けたにも関わらず、来年1月の行事を行うことはすでに決定しており、調査日には山に入って松の枝を切り、五十鈴神社の境内で、行事に使う神木(マツノキと呼ぶ)を作っていた。話者は、息子たちが参加するのでそれに付き従っていた。また、今年の大将役であった高校1年生が手伝いで参加していた。
 今度のえんずのわりをやると言い出したのは子どもたち自身であるという。現在、行事の舞台となる神社や、その傍らにある岩屋の整備を行っている。ただし近年は、行事の期間中、子どもたちは岩屋で食事をとり、神社の境内に寝泊まりしていたが、今度はそれは無理である。またえんずのわりの行事の中心である、子どもたちによる集落の家回りも、家屋のほぼ全てが津波で流されたので不可能である。どのように行事を実施するかは保存会が決めることで、話者は知らないという。月浜の仮設住宅の中でお籠もりをするのだろうが、家回りは仮設住宅内を回ればよいというほど単純ではない。月浜の仮設には近隣の別集落の人々も入居しているし、月浜の住民でも別の場所に住んでいる者もある。話者の家族も宮戸小学校の仮設住宅に入居している。さらに、集落の家回りは回る順番も定まっていたが、仮設で回る順番をどうするかの問題もある。
 なお、話者は月浜の仮設に親戚がいるので、当日(14日の晩)はそこに行って拝んでもらうつもりだという。

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