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月浜のえんずのわりは昭和61年に旧鳴瀬町の、平成5年に宮城県の、そして平成17年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。保存会は昭和62年1月に、町指定を受けたことで鳴瀬町文化協会に加盟を打診され、それを機会に発足した。なお、この保存会の発足に際して「えんずのわり」という呼称を正式に採用したのだという。それまでは地元でも色々な呼び方で行事を呼んでいたという。保存会長は、発会以来ずっと話者が務めている。
保存会としての独自の活動は、行事の実施以外にはほとんどない。役員は会長・副会長・会計が各1名で、監事が2名となっている。毎年の行事の実施についてはこの保存会役員が中心になって働く。発会当初より区の住民全てが保存会の会員であるとされているが、保存会役員以外の住民には、「保存会」といえば役員、とくに会長である話者のことであると認識されているようであった。
会計は実質的に区の管理に任されており、保存会としての会計処理はほとんど行っていない。県からの補助金は区の会計に組み入れられ、必要な費用を区から負担してもらうという形態をとっている。町の文化財として岩屋の補修を依頼した時も、県の文化財となって毎年の補助金がもらえるようになっても、その申請はすべて(保存会ではなく)月浜区として行ってきた。会の規約も従来は持っておらず、近年「ふるさと文化再興事業」で映像記録作成をすることになってはじめて保存会規約を作り、補助金を受けとるために保存会名の銀行口座を開設したという。
毎年の行事の実施以外には、1月21日と8月21日の伊勢講(区の総会)に事業報告をするくらいであった。
宮城県地域文化遺産プロジェクト
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