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父親が作っていたのは、丸太をくりぬいた底板で造る「合木(かっこ)舟」で、岩場での漁業に向いており、岩にぶつかっても多少のことでは壊れない頑丈なものだった。多賀城市にある県立博物館(東北歴史博物館)に収められている合木船は渡辺栄さん(没)が作ったとされているが、自分も手伝っている。合木船は幹の曲がったところを利用するため、木挽きの仕事が入る。一人では作れないし、今、それを作る技術を持っているのはおそらく自分だけだろう。しかし、自分が20歳頃から、より速い早波船が次第に主流となってきたので、その修業に出たわけである。
宮城県地域文化遺産プロジェクト
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