S-1 気仙沼市鹿折浪板地区

2011
S-1 気仙沼市鹿折浪板地区
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[調査日]2011 年 12 月 28 日(水)

[報告者]
梅屋潔 
[調査者]
梅屋潔 
[補助調査者]
相澤卓郎 
[話者]
(1)S137鹿折公民館館長/浪板虎舞保存会幹事長(1944年生れ - 男) 
鹿折と浪板虎舞保存会の被害と今後

 震災で亡くなったのは、前幹事長で顧問、会計兼副会長(規約上自治会長は保存会副会長を兼ねることになっている)夫妻。浪板1地区では6名、浪板2地区では17人、計23名が犠牲になった。
 もともとは、カトク(家督)つまり長男しか虎舞に関わることはできなかった。しかし、大学にいったり、就職したりで浪板を離れる人も多く、担い手の確保がかねてから課題だった。昭和41年に保存会ができて規約が制定され、「火曜の会」という集まりもあったが休眠状態だった。話者が平成14年に浪板に帰ってきてから活性化を訴え、火曜日夜7:00から毎週笛太鼓の練習をするようになった(火曜の会)。そのころから女性も太鼓を叩くようになり、平成16年ごろには熱心な女性会員が集まるようになった。
 震災が起こっても、規約はそのままであり、改正するつもりはない。浪板の216戸は、いまも戸籍もそのままだし、したがって規約上浪板虎舞保存会の会員である。今後仮にどこかに住所を移したとしても、当人およびその子孫は虎舞の活動から排除しない。将来的にはもともと叩いていたが疎遠になっていった人たちも含めて、「準会員」のようなことも考えているが、それは今後の検討課題だろう。4月に行われる保存会の総会で現時点までの案を開陳し、検討する予定である。
 虎舞は、もともとは海上安全・大漁祈願のための舞であるが、家内安全、商売繁盛のためにも舞う。結婚式や船おろし、新年会などめでたい席に招かれて披露する。保存会会員からは会費も徴収するが、その際のご祝儀が主な資金源である。
 来年の初舞は1月15日に飯綱神社に奉納する。のちに須賀神社で舞う。1月の第3日曜日ときまっている。須賀神社の縁日は10月15日。この折には須賀神社に奉納してから飯綱神社で舞う。飯綱神社は商売の神であり、須賀神社は不動明王を祀っている。浪板虎舞は招かれればどこへ行っても披露する。昭和48年には大阪万博に招かれた。今年の6月4日には横浜の山下公園で震災後初の虎舞を披露している。

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