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ウラマツリは、唐桑半島(唐桑町)の14の浦々で執り行われている年中行事である。おもに半島内湾側の4つの浦(舞根浦、宿浦、北古舘・藤ケ浜浦、鮪立浦、小鯖浦)を早馬神社、外洋側の10の浜(マイダ浜、中の浜、笹浜、馬場の浜[前馬場・後馬場]、砂子浜、石浜、稲村浜、金取浜)を御崎神社が管轄している。かつては一浦一村の形態をとっており、ひとつのウラ(浜あるいは港)ごとにウラマツリ会が組織されており、それぞれの神社の宮司とマツリを執り行なった。ウラには各部落の船が繋がれていたが、現在では港湾の近代化や船の大型化によってかならずしも自分の居住している部落のウラ(あるいはハマ)に船をつないでいるとは限らない。自分の居住部落のウラと船を繋いでいるウラとが異なる場合、ウラマツリ会のメンバーシップは自らの居住地のウラ(あるいはハマ)ではなく、自分が船をつないでいる方のウラマツリ会に帰属することになっている。旧暦の3月1日頃からこの予祝儀礼ははじまっていくが、早馬神社の管轄である内湾川の浦々ではかならずウラマツリは内湾川から奥にむかって執り行なわれなければならない。つまり、もっとも奥にある舞根浦から順に外洋へ向かって執り行なわれる。この儀礼のとき、供物(帆柱、注連縄、その年の月の数の餅、米、酒、塩、賽銭)を載せた小さな木の船が浦から流されるが、この船も当該のウラより外洋側の人しか拾ってはいけないことになっている。これはケガレを内湾にためずに外海である外洋へと流すためであるという。震災後も例年通りこのマツリは執り行なわれる予定であるという。
宮城県地域文化遺産プロジェクト
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