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かつては、小さいカニがたくさんいた。ヨシ原がたくさんあったので、そこに住んでいた。家の中にもよく入ってきた。しかし、近年は農薬のせいでカニがいなくなった。また、ヨシ原も開墾された。昔は、大きな釜でカニを炊いたという。北釜という地名はこのカニを炊いた釜に由来すると聞いたことがあるという。カニは、はさみで作物を切ってしまうので困った。サツマイモも切られたし、稲も切られた。そのため、一度田植えをしても、カニに切られてしまうものがあるため、土用を過ぎた段階で切られた稲を取り除き、苗代に残しておいた別の稲を替わりに植える。つまり、「田植えを2回した」のである。なぜ、土用なのかというと、カニは土用の頃に脱皮して、はさみがなくなる。そのため、土用以後は、カニの被害を受けることがないからである。
宮城県地域文化遺産プロジェクト
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